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Ben Gautrey / ベン・ゴーテリー

Guitar, keyboards, bass, vocals

ベン・ゴーテリー(以下ベン):ぼくはTCTCのベンです。ミュージック・ギアよりこんにちは!今少し歯が痛いけれども、それはさて置き、これから自分について少し話して行きましょう。

新しいアルバムを紹介してください。あなたにとってどういうアルバムになりましたか?

ベン:新しいアルバムは『メイク・ディス・ユア・オウン』。完成するまで時間がかかったんだ。まず、曲の作り方を変えた。曲を通して、メロディーのセンスをよりよくしたかった。以前は曲を作ってからそれに歌詞をのせたが、今回は歌詞を書いてから曲を作った。アルバム作りがとても難しかったので予想外に長くかかってしまったが、その出来にはとても満足していて、誇りを持っている。日本で早く披露したいんだ。

今回のアルバムではプロデューサーが入りましたが、何がどう違っていましたか?

ベン:最初の2枚のアルバムは、プロデューサーが参加型のエンジニア系で、実際にミキシングを手かげたりした。それと比べ、クリス・ヒューズは、クリストファーと呼ばれたいと言っているが(笑)、傍観型で、椅子に座り曲を聴いていろいろ意見を言ってくれた。とても建設的で、度々それはいいとかそれはよくないとか率直な意見を述べてくれたよ。歯に衣を着せないプロデューサーとやるのは初めてで、バンドにとって何がいいかはっきりと言ってくれて、とてもよかったと思う。時にはスタジオで大議論になってピリピリしたけれども、いつも最後にはおれが勝ったね(笑)、まあ、一番大きくて強いからね(冗談っぽく)。ある意味、困難で今までと違っていて、面白くて消耗的でやりがいがあって、そして時々セクシュアルだった(笑)。

ディズが脱退した時、日本のファンも心配していましたが当時は実際どんな状況でしたか?

ベン:ディズが脱退した時は奇妙だったな…思っていた以上に痛みがあった。彼はとにかく俺たちと段々離れて行ったんだ。目指しているものが異なってくると一緒にバンドをやっていけなくなると思う。このバンドで一番大切なのは友情で、ディズとは今も友達だけど、彼はロンドンでまだ赤ちゃんの娘と奥さんと住んでいて、われわれは西のレディングに居て、毎日長い時間をかけてこちらまで通わなければならなかったんだ。音楽を作る時間以上に通勤時間がかかることがよくあって、とても疲労していたと思う。彼が抜けた後、俺たちは5人でTCTCを続けよう決めて、以前よりも関係が密になってもっと楽しくなった。5人の個性がより強い絆を結べたと思う。俺は一番若いメンバーになってとてもハッピーだね(笑)。他の4人よりも長生きできるからね。でも他のメンバーに言わないでおいて、聞きたくないと思うからさ。

あなたの目から見たメンバーを紹介してください。

ベン:“ミスター・ダニエル・フィッシャー”から始めるけど、彼は賢くて、そう、悪賢いヤツ。戦術家で、世界をとても聡明できちんとした目で見ている。俺にとっては、インスピレーションの素だ。彼に唯一注文があるとすれば、海賊のように鉛筆のように細い口髭を生やしてもらいたい―今のところ拒絶しているけどね。“トム”は、バンドの中で一番長い付き合いがある。俺が11の時から知っているから、もう15年になるんだ。とても深い、イギリスでよく言う男性らしい声、男根からの声の持ち主。人間的にもとてもいい、頭もよくて愛すべきヤツだね。とても音楽的で、情熱的で、日本をこよなく愛している。“キーレン”はと言うと、うーん、6年もの間バンドから追い出そうとしているけど、まだいるんだ(笑)。彼がいまだにメンバーであることは耐えられないね。いつも笑顔で、親切で笑わせてくれて、いいヤツのように見えるかも知れないけど、実際は違う。彼は悪どいぜ!!約束する。この次彼を見る時には、彼の嘘を見透かしてみてくれ。そうすれば彼の真の姿が見えるだろう。“ジョン”は、バンドの背骨。真の意味での紳士で、彼と一緒のバンドでいる事をラッキーに思うよ。愛すべきヤツだよ。また、身体的にも精神的にもすごく力強い男だ。ただ、彼には決して喧嘩を売らないこと。これは大切な事だよ。

もうすぐ来日しますが、何をしたいと思いますか?

ベン:日本に行くことは、すなわち故郷に戻ることだ。俺は東京生まれだから、俺にとって日本のどこだってライブするのってスペシャルなことなんだ。日本とは本当に特別な関係だと思うし、ライブも最高!オーディエンスのエネルギーには深く感動するよ。これまでやったことのあるいくつかの最高のパフォーマンスは、“日本でやった”と言っても過言でないだろう。オーディエンスから素晴らしいインスピレーションをもらえるんだ。来日するのも、日本の酒と食を満喫するのもすごく楽しみにしている。また、素敵な日本女性にも会いたい。そして素敵な日本の男性と音楽やスポーツや政治について語り合いたいね。今回も友達をたくさん作るだろう。楽しみだぜ!

あなたにとってTCTCはどういうバンドですか?

ベン:俺の人生の3分の1はバンドで過ごしていて、すごく心に近いものを感じる。メンバーとは一緒の学校に通い長年の親友だ―。彼らは俺の人生の半分を知っているんだぜ。音楽は自分たちを表現する手段であって、俺らはとても正直で情熱的なバンドだ。すごく表面的で偽りのバンドも多く不誠実でお金のため、有名になるためにやっている連中もいる。でも俺たちは違う。自分の知っていることについて歌詞を書いているんだ。バンドを結成した当初、俺たちの心を打つ意味のある音楽をやっているバンドがなくて、とてもフラストレーションを感じていた。だから聴きたい音楽をやりたいと思った。そして俺たちの音楽にいつでもどこでも共感してくれる人たちのためにやりたいと思ったんだ。日本のファンはいつもそういう感じで俺たちを見てくれれている。だから俺たちにとって特別な存在なんだ。うん、日本ツアーで新アルバムを紹介するのがすごく楽しみだね。

ファンへのメッセージ

ベン:ベン・ゴーテリーを知っていて、過去5,6年ついてきた人たちは知っているだろうけど、俺の知っている唯一、おそらく最も大切な日本の言葉は、「トイレはどこですか?」だ。いつどこで、もよおすかわからないから大切なフレーズだね。とにかくアルバムを聴いてくれてサポートしてきたみんなに、どうも有難う!と言いたい。世界の両端に住んでいるけど、TCTCがイギリスのレディングに居て、みんなは日本に居るけど距離は問題でない。俺たちはみんなを愛しているから、一日も早く来日してライブでみんなと楽しい時を過ごしたいと思う。それまではよく寝て、よく休んで、TCTCが来日した時はパーティ・タイム、ダンス・タイムだぜ!ジョン・トラボルタがロボコップに会った時みたいにダンスしよう!ちょっと考えといて。


 
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マンチェスターは朝から雨にも関わらずライブ会場には多くのロックファンが集まっている。そう、彼らは“ザ・クーパー・テンプル・クロース”のライブを観るためにやって来たのだ。これまでUKロックシーンに多大な影響を与えて来た都市マンチェスターでどのようなライブを見せてくれるのか?うーん、早くも期待が高まる‥。

序曲が淡々と流れる中、大きな歓声に迎えられてザ・クーパー・テンプル・クロース(略:TCTC)のメンバーがステージに登場。それだけでゾクゾクしてきた。その音は更に大きく深く徐々にTCTCワールドに誘導していく。そこにダンのギターが共鳴しベンが歌いだす『Head』のスタートだ。トムのベースにジョンのパワフルなドラム、キーレンのキーボードが続く。この曲ほどTCTCオープニングに相応しい曲はないだろう。そして『Been Training Dogs』に続き『Waiting Game』では興奮状態のクーパー・ヘッズ(熱狂的支持者:ファンの名称)達が「待ってました!」とばかりに大合唱。いい歌だ。この瞬間をどう表現したらいいのだろうー。会場中が1つの作品として完成されつつある状態と言ったらいいのか‥、どうやら今夜の主導権は観客側にあるようだ。それに答えるかのようにTCTCはここで『Damage』へ。まるで「まだまだこれからだぜ!」とでも言わんばかりの曲選には観客側も「やられた!」と言う感じだった(笑)。そして、ステージ上のTCTCと観客のボーダーラインが消えた瞬間でもあった。

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『Film-Maker』『A.I.M.』とおなじみの曲がより一層会場を盛り上げていく。今夜はどこまで昇りつめて行くのだろうー。続く『Connect』では、トムのヴォーカルがベンのコーラスがTCTCのサウンドがまた別の世界に誘う。アルバムで聴く以上に躍動感が増しているこの曲。曲自体の素晴らしさは言うまでもないが、TCTCのこれまでの成長が感じられる曲だと思う。続く『Once More With Feeling』もそう。トムのバイオリン奏法で始まるこの曲は、エレクトロとロックの融合で生まれたスケールの大きな曲であり、エモーショナルな世界観がたまらない。ライブで観ると圧巻!!の一言に尽きる。そして観る側の心を掴んで離さないまま『Music Box』へ。5人になったことでステージでは忙しいぐらい担当パートが変わる。誰がどの音を出しているのか?誰がどこのパートを歌っているのか?解らないぐらい一体となっているバンドを私はこれまで見た事がない。5人の個性がきちんと確立されているからこそできる調和。そこがTCTCの最大の魅力なのだと思う。誰かの形が変化するとそれをも吸収して新たなTCTCが生まれていく。だからいつも同じではない。日々、変化をし続けるバンドなのだ。この日のマンチェスターでは『Homo Sapiens』をここに。大きなウェーブが何度も会場を埋め尽くす。とにかくカッコいい!!ロックとは本来こういう曲を指すのだろう。大合唱の『Promises Promises』エモーショナルな『All I See Is You』そして『Who Needs Enemies?』の頃にはメンバー自身もいつもより興奮しているのが解った。そしてこの日の終わりに相応しく『Blind Pilots』が始まるや否やクーパー・ヘッズが今まで以上に歓喜し歌い上げる。それを見て感極まっているTCTC。そんな彼らの笑顔を見て「TCTCが復活して本当に良かった!」と。そう、この瞬間が止まればいいのにと誰もが思っただろう。しかし、時間はあっという間に過ぎ、感動を残したままTCTCはステージから去っていった。

-set list-

  1. Head
  2. Been Training Dogs
  3. Waiting Game
  4. Damage
  5. Film-Maker
  6. A.I.M.
  7. Connect
  8. Once More With Feeling
  9. Music Box
  10. Homo Sapiens
  11. Promises Promises
  12. All I See Is You
  13. Who Needs Enemies?
  14. Blind Pilots
  15. Written Apology
  16. Let’s Kill Music
  17. Panzer Attack

 
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絶句!!格好良すぎて何も言えない‥。ザ・クーパー・テンプル・クロースのサード・アルバム『メイク・ディス・ユア・オウン』がリリースされた!90年の終わりにボーダレス・ミュージックを表明しカテゴリー化を全否定して誕生したTCTC。そして2001年にデビュー、フジ・ロックにも参戦し、その熱狂的パフォーマンスは多くのファンの心を撃ち落として行った。デビュー・アルバム、2003年にセカンド・アルバムリリースと彼らの勢いは止まらなかった。そして2005年、ファン待望彼らの最高傑作との呼び名の高いサード・アルバム(本作)が完成したのだ。しかし、その直後にベースのディズが脱退してしまう。ダメージを受けてしまったバンドにつきまとう解散という文字。しかし、そのダメージを乗り越え、決意を新たにし去年のフジ・ロックに参戦し見事に完全復活を遂げたのだ。タイトル通りバンドを”自分のものにした”TCTCの歴史はここから新たに始まった。新星が続々誕生するUK音楽シーンの中で、彼らの存在、復活はロック・バンドのあるべき姿を映し出してくれている。だからと言って、シーンがどうなっているとかなんて彼らにはまったく関係ない。もはやその領域の住人ではないのがTCTCであり、そこがたまらないぐらい魅力なのだ。そして、その歴史的本作は‥・うーん、何も言うことがない!というか、何も言えない!ぐらいの最高のアルバムなのだ。Playのスイッチを押した瞬間、誰もが納得するだろう。しかも、ニヤっとしながら‥(笑)。